きれいなオネエさん

私が初めてゲイの子と付き合ったのは、元店子の子だった。その彼がこう云う。
「僕さぁ、貴方のようなタイプの人と付き合うのは初めてなんだ。
ゲイバーで知り合うような人だったらさぁ、あらかじめ情報があるじゃない?
どんなタイプが好きだとか、趣味は何だとか、エッチはどんなだとかさ。
そしたら心の準備もできて、相手に色々合わせられるんだけどさぁ、
貴方は僕には全然未知数だから…」
「?君にとって、男と付き合うって、相手に合わせることなんだ?
俺はそのまま素の君が好きなんだけど。」
「うそ?僕そんなもてる子じゃないよ?
だから色々努力しないと。気に入ってもらいたいし…」
「で、エステに通って、脱毛して、そうして君はあくまで、
綺麗なおねえさんでいたいんだ?w」
無理を通した彼はやがて、息切れして私の前から姿を消した。
幼い恋に気負ったあの頃は、何も見えなかったけれど、
苦い想いだけがこみあげる。
彼はまだ、綺麗なおねえさんでいるんだろうか…