こういう演奏を観ているとつくづく思うのですよ。
世のなんちゃってピアニストたちよ、そして音大生の諸君
襟を正してよく聴き給えと!
この婆さんが何者かは私はよく知らない。
けれどよく見たまえ!
老いを感じながらも、ミスタッチのリスクも恐れず
己の感性の赴くままに弾こうとする情熱的な演奏を!
今まで私はピアノ演奏は体育会的な要素があって
女子供には到底無理なものと思っていた。
でもどうだろう、
この婆さんは体幹が出来ている。
曲のレンジ、音域にあわせて身体を左右に素早く移動させ
センターポジションを維持して的確な打鍵を確保するなんて基本的な事は
プロのピアニストでさへあまりやらなくなった。
老いて曲がってしまった背中でも
時に背を正して目一杯体重を乗せる強烈な打鍵はどうだろう!
自然と聴き手を引き寄せるすばらしい演奏だよ。