情夜の鐘

「ゥあ…らメぇ!」
激しい攻めに洩らす喘ぎに構わず唇を奪うと、舌っ足らずな喋りに似合わず長い舌が私の舌に絡み付いて吸い上げる。
今日はまた随分冷え込むじゃないかと思っていた夜半、山鹿男子からメールが入る。一応声は掛けておいたものの、以来音沙汰がなかった。他愛ないやり取りをするうち、じゃ今から来ないか?と誘ったら
「そんなに軽くないんで、会ってもエッチしないよ?」
と釘をさされたものの、何故か逢えばこうなる男と男。
一緒に部屋の温泉に浸かりながら、まだ勃ったままの乳首に吸い付いたらビクンと身体を震わせた。
「大阪帰ったらメールくれよな」
「あぁ、するさ。」
またひとつ煩悩の数が増えたけれど、鐘の音で振り払う事など出来るはずもなかろうて。