皐月

カラスの声で目が覚めた。今朝は随分早くから騒々しい連中だ。
ベランダの窓から甘い匂いが忍び込む
きっと河川敷のあの大きな楠の花からだろう。
珍しく連休中も仕事だったけれどようやく一息つく休日の日曜。
いつものようにLINEで別れた恋人からのお祝いメッセージ。
この歳になるとそれもまるで呪いの呪文だなと冗談を言いながら久々に言葉を交わす。
昼過ぎには連れからのメール
珍しく祝いのメッセージを寄こすなんて暇なのか?っていうことで軽く呑みに出る。蕎麦屋で蕎麦焼酎そば湯割りで始め、立ち飲み屋に場所を変えてウダウダと話し込む。
明るい昼間のほろ酔いがオヤジには格別のご馳走だ。
これくらいの幸せがちょうど良い
お母さん僕を産んで下さってありがとう。