What a silent night

「まぁ、歳をとると何やかんやと出てきますわよ」
腸炎で一週間寝込む。正確には大腸憩室炎というそうだ。以前肺炎の時にお世話になった女医様に、快復後の診察でそう慰められた。
或る夜中、激しい下腹部の痛みと39度超えの高熱にビビる。てっきり盲腸かと思い救急車を呼ぶべきか戸惑う。けれど冷静に考えてみれば痛みが散発的で便意もある。トイレに行けば少しは出る。これ以上痛みが激しくなるようなら呼ぼう…なんて思ううちに夜が明ける。
こんな時に手術なんてどうしよう、金もないのに…
もし救急車呼ぶにしても多少の着替えとか用意しておいた方が良いよなぁ…
なんて考えているうちに病院の開く時間になり、ダルい体を押して車で向かった。
病院に着くと余程酷い顔色をしていたのかスタッフたちにやたら気遣われる。待っている間ベッドで寝ていても良いよとか、本当に大丈夫なのかとか…ふと、これじゃやっぱ救急車呼んだ方が気を遣わせなくてよかったのかもと思う。
一応インフルエンザの検査も受け、レントゲンにCT。血液検査。
で診察の結果が大腸憩室炎だ。点滴と抗生剤。三日ほどで痛みが和らぐ。その間絶食。脱水しないよう水分だけはこまめに摂る。
「なんか私こういうの見つけちゃうんだけど、あなた尿管結石があるわよ?」
検査の過程で女医様がCTの画像を眺めながら私に云う。今のはただ大腸炎だけの痛みだけれど、いずれこの結石の方が問題になるだろうから早めにもっと大きな病院へ行けと紹介状を持たされる。二日後近所の大病院で診察を受ける。検査項目が増えるたび、ガチャリとタクシーのメーターが上がるおもいで冷や冷やするよ。まして手術なんて言われた日にゃ…
診察の結果は投薬で一ヶ月様子を見る。自然排出を目指すとのこと。あぁ、とりあえずセーフ。ということで今年は大人しくオイタもせず静かに静かに養生。
あぁ、なんて静かな夜だろう…


 
※個人的には熱唱型よりもこれくらいが好き