夜風を纏ふ


慌ただしい出張からようやく開放されて、ふと気が抜けたように部屋で佇めば
もうすっかり辺りは秋。
夜風は心地よくそよぎはするけれど、そうっと撫でるように私の肌から温もりを拭い取ってゆく。
その瞬間から独りよがりな男は、発情を慕情へとシフトさせるんだよ。
あの子を抱きしめていたい…