夢見たあの頃

最近見つけたブログの中で、少年が書いていることを眺めていると、何だかまるで大昔の私のようで、ノスタルジックに悩ましい。ホロヴィッツオタクで、我流でガンガン弾き倒して、「変わった弾き方するね?」なんて言う貴女のお嬢様芸を完全否定してたあの頃…
高校時代、音楽教師に、「僕の演奏を是非聴かせてみたい!」なんて、無謀な思い上がりで音大講師の所へ連れて行ってもらったあの頃…
「努力は認めるけど、基礎が無きゃ無理ね…」なんて追い返されたっけ。
それでもある人に師事しようと行って、
「自分が本当に天才だと思ったら、もう一度ここへ来なさい。」って言われた。
それまでは自分で自分を天才だと思ってたのに、人から敢えて言われると、急に自信が無くなったのさ。
大人になって、狡さを覚えて、身近な快楽の方に身を委ねたけれど、でもね、忘れちゃいないんだよ”ピアニズム”
理屈じゃなくって、魂を揺さぶるニュアンスを、表現しきれないもどかしさに諦めを感じながらもね。