米騒動

我々の世代にとっては30数年前の冷夏による米不足、米騒動はまだ記憶に新しい。いわゆる平成の米騒動だ。備蓄米はこの経験をもとに制度が見直された。記録的な大冷夏の影響で米の凶作が発生し需要に対する決定的な供給不足から日本は緊急措置として初めて海外から米を大量輸入する。我々が初めて体験する外米だ。タイや中国などからうるち米、インディカ米などが入ってきたと思う。

この頃私は既に独り暮らしを始めていて、自炊はほとんどせず専ら外食に頼っていたので安いチェーン店などではそれはそれは質の悪い米が出回っていた。米自身の質というよりも精米選別の質が悪かったのだと思う。家庭でも洗米する前にまず米の中に混ざっている小石や砂などを撥ねておかないといけないわけだ。だから時々飯屋でご飯を食っていると突然ガリッ!と砂を嚙む羽目になる。こうなると食欲っていうものは一気にさめるもので、その頃のトラウマなのか私は今でも砂ずり(砂肝)とか鶏軟骨とかの食感の食い物が嫌いだ。

さて今回の令和の米騒動の着地点はいったいどこにあるのかは知らないけれど、インバウンド需要に押されての日本人の気まぐれな米嗜好。魑魅魍魎共の皮算用や企みに馬鹿な役人たちが振り回されて四苦八苦の水無月梅雨入り間近。米は新之助が好き。